こだわりのワインづくりは葡萄づくりから始まる。
山梨県甲府盆地の東端、標高450~500M前後の南北に連なるベルト地域。約70haの地域は日本屈指の醸造用ぶどう収穫産地。地質(豊富なミネラルを含んだ粘土質と小石の混じったレキ地質)、地形(南西向きの斜面で、水はけが良く、日照により乾燥しやすい)、気象条件(盆地特有の夏は暑く冬は寒い、寒暖差の大きな気候。一年を通して少ない降水量。背後に秩父多摩の山塊があり、昼は日照で暑く、夜は山からの吹き下ろしの冷たい空気により、1日の寒暖差も大きく、乾燥しやすい気象)ともに、ワイン醸造用のぶどうには最適な収穫地区。

シャトー勝沼の自社園はもちろん、契約栽培農園でも有機質肥料による土壌の育成と保護を徹底している。ワインづくりは土づくり。礫が多く水はけの良い土壌からは、自然に収量規制が働いてひと粒ひと粒の中に糖度が高くエキスが凝縮された果汁が溜まるようになる。収量を上げすぎると、どうしても味が薄っぺらになってしまう。ワインは、他の酒と違って水を大きく左右する。自然の収量規制が働く鳥居平のブドウからとれるエキスが濃縮された果汁は、結果的にいいワインとなって生まれ変わる。どこで穫れたかどういう栽培方法か、この二点が原料を選ぶ決めて。私どもでは、この鳥居平を中心とした勝沼町内に産地を限定している。いいワインを造るためには、地元で穫れる良質なブドウしか使わない、素材選びに決して妥協を許さない。